看護職の育成

看護学校の現状文責:栗山理事

 岐阜市医師会看護学校は昭和50年4月に開校された「岐阜市立第二高等看護学院」を前身とし、昭和55年4月、「岐阜市立第二看護専門学校」と改称され、平成27年4月に岐阜市から事業承継しスタートしました。

 時代の変遷とともに、そのニーズに即した学校運営がされていましたが、施設の老朽化と少子化等により、運営の見直しが進められ、岐阜市から看護学校の存続についての協力依頼がありました。平成19年12月から協議を重ねた結果、岐阜市医師会へ移管されることとなり、平成26年12月に岐阜県より看護師養成所として指定され、更に専修学校としての認可を受け、地域の医療体制の充実を図るべく、「岐阜市医師会看護学校」として再スタートを切りました。

 岐阜市医師会は准看護師教育も長年運営しており、近年は約6割の准看護学生が看護学校進学を希望しており、当校は准看護師から看護師の五年一貫教育を念頭において、知識・技術を統合した実践能力の高い看護師育成を目標とし、日々精進しております。

 しかしながら、看護学校と看護学校を取り巻く状況は大きな変革の時を迎えております。近年准看護学校の入学者は減少し、当校も学生数の確保が一番の問題となっております。さらに看護教員の確保、実習場の確保など、日々の課題も山積みです。

 本校は、優しく思いやりのある看護師、様々な変化に対応できる実践力を持つ看護師の育成を目指し、時代のニーズに応えるべく日々奔走しております。良き伝統を引き継ぎつつ、今後も地域で活躍できる優秀な看護師の育成に努めてまいります。

 会員の皆様には本校の教育方針へのご理解とご協力を今後とも宜しくお願いいたします。

准看護学校の現状文責:村木理事

 本校は昭和27年4月に岐阜市医師会附属准看護婦養成所として指定を受け、平成11年4月から岐阜市医師会准看護学校と改称、平成14年には全日制とし、進学サポートに力を入れ約50〜60%の進学率を誇る学校となりました。平成25年から仕事をしながら資格を取りたいという学生の希望をかなえるべくA・Bの2コース制として、看護職を希望される人に広く門戸を開いてきた学年定員80名、2年過程の全日制各種学校です。平成26年3月には現在の青柳町5丁目の新校舎に移転し教育環境も整いました。

 当校は多くの卒業生が地元に就職し活躍出来る指導を行い、医療機関における看護師不足解消にも貢献しております。そのかいあって市内で勤務する看護師・准看護師の半数近くが当校の卒業生という高い割合で地域医療に密着し貢献しております。

 准看護学校は2年間かけて准看護師を養成する学校です。2年間看護に関する基本的な知識や専門的な知識を学んだ後に都道府県が実施する資格試験を受け、合格(当校は20年連続で100%の合格率を誇っております。)することによって准看護師となります。
看護師との相違点は以下のようになります。
  (1)看護師が持つ免許が国家資格免許であるのに対し、准看護師が持つ免許は都道府県知事免許であること。
  (2)看護師が自分の判断で看護行為を行うことができるのに対し、准看護師は医師・歯科医師・看護師の指示なしでは看護行為を行うことができないことです。
 こういった違いのため、准看護学校卒業後、進学過程へ進み、必要な知識や技術を習得し、看護師国家試験の受験資格を目指す学生が多いです。

 ただし近年の少子化の影響、COVID19流行による看護職への忌避感、看護大学の増加等の影響を受け、入学希望者は減少傾向にあります。このため全国の准看護学校も経営難により閉校に至る学校が増加しております。

 日本看護協会のデータ上、准看護師学校養成所の数は2000年の529校から2020年の214校へと、半分以下に減少しています。2022年9月には182校へとさらに減少し、秋田県・山形県・新潟県・福井県・沖縄県など、准看護師学校養成所がゼロの自治体も増えてきているのが現状です。

 当校も学生充足率は50%を切っており、更に慢性的な看護教員不足が続き、働き方改革への対応が必要な中、なかなか明るい展望が見えてきません。

 このような状況ではありますが、令和7年度からは2コースを1コースに改変し、学生数や看護教員数に柔軟に対応していきます。

 本校の教育方針へのご理解とご協力をこれまで以上に賜りますようよろしくお願い申し上げます。